<この記事でわかること>
この記事では、TOEICが転職で有利になる点数について解説しています。
英語力を中途採用や昇格時、海外転勤・赴任等の要件にしている企業も多く、TOEICスコアを活用した転職、同社内でのキャリアアップに向けて何点を目指すべきか迷っている方のヒントになれば幸いです。
TOEIC導入企業の4割近くがスコアを昇格の要件・参考にしている
TOEICは個々人の英語力を客観的、定量的に把握することのできる便利なものさしです。
TOEICには計測技能が異なる2種類のテスト(L&Rテスト、S&Wテスト)がありますが、企業の人事評価制度や採用制度等に多く導入されているのはTOEIC L&Rテストです。
2023年度最新の公式データによると、世界160ヶ国、約14,000の企業・団体・学校に活用されており、日本国内でも約3,100の活用事例があります。
こちらは少し古い記録になりますが、TOEICを採用している日本の法人企業・団体の5~6割程度が海外出張者や赴任者の選抜時にTOEICスコアを「要件としている」「参考としている」「新たに要件・参考とする可能性がある」としています。
係長・主任以上の等級の昇進や昇格を判断する際においても、4割前後で要件または参考にしていると報告されています。
(「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」を参考)
今後のスキルアップ、キャリアアップを考えるうえで、自身の英語力を確実に証明できる材料の一つとしてTOEICスコアは有効です。
TOEICが転職で有利になる点数は「700点以上」
社会人の平均スコアは639点/990点満点となっています(2023年度)。
職種別で見ると、海外部門の平均スコアが最も高く729点、次いで経営が680点、そのほか企画663点、マーケティング660点、SE626点、営業622点などという結果が出ています。
(「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024」を参考)
一方、実際に企業が社員に期待しているTOEICスコアはトップの海外部門で705点となっています。
(「企業における英語研修、英語活用の実態調査(2022)」を参考)
英語を使った仕事に就く場合には平均スコアや期待スコアを最低限超える「700点以上」がボーダーラインと言えそうです。
ただし、TOEIC開発機関が示すビジネスシーンで困らないレベルは「730点以上」
TOEICスコアとコミュニケーション能力の相関に関して、TOEICを開発した1947年設立の米国非営利テスト開発機関であるETSが裏付け検証調査を実施しました。
結果、TOEIC730点であれば日常生活、ビジネスシーン等の「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」レベルと示しています。

ランク | TOEICスコア | レベル | できること |
---|---|---|---|
Aランク | TOEIC860点 | 「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」レベル | 自己の経験の範囲内では、専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。Native Speakerの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている。 |
Bランク | TOEIC730点 | 「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」レベル | 通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。正確さと流暢さに個人差があり、文法・構文上の誤りが見受けられる場合もあるが、意思疎通を妨げるほどではない。 |
Cランク | TOEIC470点 | 「日常生活のニーズに充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベル | 通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、の差が見られる。基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。 |
(出典:PROFICIENCY SCALE TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)
TOEIC700点、800点で転職できる職種の違い
TOEICスコアを中途採用時の歓迎条件、または必須条件に設定している企業は多くあります。
求人情報・転職サイトdodaに掲載されている募集内容を一例に調査してみたところ、保有スコアTOEIC700点台、TOEIC800点台でそれぞれ応募できる職種に若干傾向があるようでした。
TOEIC700点台で応募できる可能性の高い職種は、事務や営業が目立ちました。
TOEIC800点台になると技術開発やカスタマーサポート、コンサルタント、グローバル部門の営業など選択の幅がさらに広がる印象がありました。
※2025年2月時点の調査結果です。スコア条件は企業によって異なり一概には言えませんので、ご参考程度に捉えていただけますと幸いです。
まとめ

この記事では、TOEICが転職で有利になる点数について解説させていただきました。
保有スコアTOEIC700点、TOEIC800点を使って転職できる可能性の高い職種は違いますので、何点を目指して勉強を進めればいいか迷っている方、英語を使った仕事への転職を検討されている方の参考になれば幸いです。